Sportsの窓

EPISODE 4


【その2】



〜 2005年〜2006度英国ラグビー、その前にやっぱりライオンズツアー 〜

ラグビーが大好きな旅する方々へ


ライオンズサポーター
それでも私は彼等を信じて応援する

英国ではすでに今年のプレミアシップラグビーが始まって早2ヶ月以上が経ち、
すでに第6節が過ぎようとしています

また、ハイネケンカップ、ヨーロッパカップ、ケルティックラグビーと彼の国々では
すでに国内、国際試合が盛りだくさんに行なわれています

そう思い始めたら何やら今更ながらではありますが・・・・
今年の英国ラグビーシーズンへ進める前にやはり避けて通らずにはいられない
6月から7月の長い期間楽しませてくれた
4年に1度の祭典 
ライオンズツアーに触れないわけにはいきません

但し、残念ながら結果はすでにご承知の通り
ブリティッシュ&アイルランド・ライオンズチームにとっては至上稀に見る散々な結果に終わっています
しかし、それでも彼等は活路をすでに見出している・・・と
私は思わずにはいられないのです

現在行なわれている本国でのそれぞれのリーグ戦や来年の六カ国対抗戦、
その間にある11月の恒例の国際試合の数々に繋げていくための
一つの『点』であること

それは、2007年の最大の目の前のライバル・おフランスでの開催
第6回目のワールドカップへと

全ては先への一つ一つの試合を制するために・・・

今年の初夏の南半球のツアーは意味あるものだったのだと
これからの行く先を見るために
今更ながら今年のブリティッシュ&アイルランド・ライオンズチームの業績を
ちょっぴり振り返って進めていきたいと思うことに
どうぞ、お付き合いくださいませ











【 Lions Tour to NZ at 2005 】



試合前のメンバー



2005年5月25日にライオンズは遥か南半球のニュージーランドへと旅立ち
4年に1度の12年ぶり、約1ヶ月半にも及ぶツアーが始まりました

改めてここでは簡単に全ツアー結果をご案内してみれば・・・

6月04日(土) Lions  VS Bay of Plenty 34-20
6月08日(水) Lions  VS Tranaki 36-14
6月11日(土) NZ Maori VS Lions  19-13
6月15日(水) Lions VS Wellington 23-6
6月18日(土) Lions VS Otago 30-19
6月21日(水) Lions VS Southland 26-16
6月25日(土) New Zealand VS Lions  ★21-3
6月28日(水) Lions VS Manawatsu 109-6
7月02日(土) New Zealand VS Lions  ★48-18
7月05日(水) Lions VS Auckland 17-13
7月09日(土) New Zealand VS Lions  ★38-19
の点数は黒星の結果

見事に代表戦は散々たる戦禍
数字も然ることながら、内容的にも・・・首をひねるばかり・・・

前回の2001年のオーストラリア戦がそれではどうだったか?というと
当時驚くべき印象を刻んだ、今回初のアイルランドからの主将を担った若きオドリスコルや
期待通りの活躍を見せてくれたベテラン・キース・ウッズ達が
その後の飛躍的なアイルランドを導いたことを考えると、
今回の試合内容では英国内での今後のプレミアシップ・ラグビーへの影響、
強いてはチームとしての2007年・ワールドカップへの不安を感じさせずにはいられません・・・


苦渋のウッドワース
苦渋のヘッドコーチ ウッドワード






このツアーを通して印象に残った、面白い試合としては
ライオンズにとって良い結果ではなかったけれど

対NZマオリ戦

後半のNZスタンドオフのスペンサーは、
さすがに年追う毎に落ち着いてくる(安心して見られる)
ゲームの流れがこの彼を一人投入しただけで見事に変わる・・ここまでチーム力が増すのか・・・?と
その様を見せつけられたような1試合とも言えたとともに・・・

また、全体と通してマオリチームの素早い動きに翻弄されるライオンズには・・思わずこちらまで引き込まれ、
選手一人一人の働きがきちんとなされていることが伝わる
本当に見所の多い80分間 
とても短く感じられる試合でもありました

ライオンズは・・と言えば主将の意地とでも言えるのか?
はたまたさすがにオドことオドリスコルのトライだったでしょうか・・・


対マオリ戦 オドのトライ


そして、勝利したマオリチームの初であった試合後の『ハカ』には
観客はもちろん!遠路はるばる駆けつけ勝利を呼べず気落ちしたライオンズサポーターまで大喜び 

この予期せぬ喜びの表し方は少なからず“ニュージーランド”というお国の歴史を垣間見たような気がして
テレビの前で思わず正座して観てしまったのは・・・私だけでしょうか・・・?



この『ハカ』は試合前のもの








そして、何といっても“オールブラックス”との3戦テストマッチ

ヘッドコーチのウッドワードも期待していたイングランド勢が怪我や故障で次々と万全体制から転げ落ちる中
それでも出したかったのか?彼を・・・と思わせる第1戦目のテストマッチでの布陣は次の通り


すでに本国では現在次の戦いも始まっていますので、所属チーム名とお国も並べてみました


15. Jason Robinson (ロビンソン) England Sale Sharks
14. Josh Lewsey (ルーシー England Wasps
13. Brian O'driscoll(C) (オドリスコル) Ireland Leinster
12. Jonny Wilkinson (ウィルキンソン) England Newcastle
11. Gareth Thomas (トーマス) Wales Toulouse
10. Stephen Jones (ジョーンズ) Wales Clormont-Auvergne
09. Dwayne Peel (ピール) Wales Scarlets
08. Martin Corry (コリー) England Leicester
07. Neil Back (バック) England Leicester
06. Richard Hill (ヒル) England Saracens
05. Ben Kay (ケイ) England Leicester
04. Paul O'connell (オコネル) Ireland Munster
03. Julian White (ホワイト) England Leicester
02. Shane Byrne (バーン) Ireland Leinster
01. Gethin Jenkins (ジェンキンズ) Wales Cardiff


ご覧の通りのメンバーが発表されたとき、
先ずは何よりも驚いたのがジョニの12番!
記憶の中では彼のこの
“インサイド・センター”というポジションは観たことがない・・・
(実際は日本に来日した際などあったそうですが・・・・)

しかも、この日は当然トイメンには相手チームの主将・ウマンガときては
両者攻守ともに決して大柄とは言えない体を存分に張る・・言わば似たようなタイプ
タックルに入る時はお互いに容赦しないでしょう・・・・
これがこの大事な1戦目の試合を引き締めてくれる要因になることを期待せずにはいられません 

がっ!!

・・・しかし・・・キックオフ後早々のオドの右肩脱臼による退場がこの日のライオンズにとっては
その後の試合を物語るが如くの結果に終わりました

ジョニは何故か私から見ても落ち着かないようでしたし、
頼みの綱であるFWが圧倒されてしまうと(特にロック・バックロー陣の接点への遅れと運動量不足・・?)
もしかしたら、オドが頑張っても如何様にも手の打ちようがなかったかもしれません

今更ながらこの遠征に突如再浮上したダラーリオの負傷帰国も痛い誤算でしたが、
オールブラックスの若い第3列と大ベテランのこれまた復活組の二ール・バックとリチャード・ヒルの対決は
予想以上に差が開いていたように思えました・・・


ウマンガの2つ目のトライ
この日2つ目のトライを決めたNZの主将・ウマンガ(中央)
左は表情でわかる悔しい・ライオンズのピール




そして、第2戦目から気になったのはウェールズの若手成長株の一人
ギャビン・ヘンソン

六カ国対抗戦の時のヘンソンとオド
六カ国対抗戦の時のヘンソンとオド

もう少し暴れまくってくれるかしら・・?と思いきや、
ウマンガ、メイジャーの相手センター陣にすっかりと遊ばれてしまったようにも感じました


今回は今年の六カ国対抗戦でも優勝したチーム(ウェールズ)の中で目立った選手が
やはりできる限りの頑張りは見せてくれていたように思います

オド負傷の後は代行主将として踏ん張っていたギャレス トーマス、
ジェンキンズとかジョーンズとか・・・しかし・・・実際は大きな黒い壁のNZ勢には歯が立たず
かなりきつい思いをしたことでしょう

頑張るステファン・ジョーンズ
今年の六カ国優勝に大きく貢献したレッド・ドラゴン、ウェールズのハーフ陣
ステファン・ジョーンズ・・頑張る・・








2005年度ライオンズヘッドコーチ ウッドワード


ライオンズは4カ国の混成チームですから
各それぞれのお国のチームに戻れば各人その持ち場ではフィットしていることでしょう

しかし、あまりにも今回の遠征の結果はウッドワードの戦略不足を否めないと思います
彼は実際にはこの遠征でどんな方向へ進みたかったのでしょうか??
最後までよく判らなかったのは私だけでしょうか・・・?

そして、特に印象深く心痛くなったのは、
イングランドチームの新旧交代が今後どこまで上手に進められるのか?
また、その大事な時期をすでにウェールズ、アイルランドは若手陣に繋がり、
上手に切り替わっている様子が伺えました

その一旦としてウェールズのスクラム・ハーフのピールを見ていても、
サイドアタックに光るものを感じたし、
他の若手にも次につながりそうな面構えで最後を迎えた彼等の表情が見られて
来年の六カ国対抗戦が本当に楽しみです 


すでに始まっている英国内やその周辺の今年のラグビーリーグ、
ヨーロッパ戦、南半球チームとのテストマッチなど様々な試合の動向に
実際はテレビ放映がなされない為サイトからの英文ニュースで知るしかないわけですが・・・
それでも、その結果を知りたいと思う気持ちがお解りいただけると思います


 
早く観に行かなくっちゃーっっっー








【 そして・・ツアー後に残ったものの一つとして・・・ 】



今回のライオンズ遠征で様々な各賞がラグビー専用サイトに掲載されていましたので
“おまけ”として上げてみました

海外ラグビーサイト プラネットラグビー
海外ラグビーを知るためのサイト



プレイヤー・オブ・ザ・シリーズ
ベスト15


15. フルバック (FB) ギャレス ・ トーマス ウェールズ
14. ウィング (WTB) リコ ・ ギア  ニュージーランド
13. アウトサイド・センター (CTB) タナ ・ ウマンガ ニュージーランド
12 インサイド・センター (CTB) アーロン ・ メイジャー ニュージーランド
11. ウィング (WTB) シティヴェニ ・ シヴィヴァトゥ ニュージーランド
10. スタンド・オフ・ハーフ (SO) ダニエル ・ カーター ニュージーランド
9. スクラム・ハーフ (SH) バイロン ・ ケラハー ニュージーランド
8. ナンバーエイト (No.8) ライアン ・ ジョーンズ ニュージーランド
7. フランカー (FL) リッチー ・ マコー ニュージーランド
6. ロック (LO) サイモン ・ イースタビー アイルランド
5. フランカー (FL) アリ ・ ウィリアム ニュージーランド
4. ロック (LO) クリス ・ ジャック ニュージーランド
3. プロップ (PR) カール ・ ハイマン ニュージーランド
2. フッカー (HO) ケヴィン ・ メイラム ニュージーランド
1. プロップ (PR) ゲティン ・ ジェンキンズ ウェールズ




マッチ・オブ・サ・ツアー


NZマオリ戦 6月11日





モーメント・オブ・ザ・イヤー



テストマッチ第1戦 6月25日
試合開始後1分


ライオンズ主将 オドリスコルの負傷・・

テストマッチ第1戦目退場するオド
テストマッチ第1戦目開始早々退場のオド




ツアリスト・オン・ザ・ライズ
(今回のツアーで評価の上がった選手)


サイモン イースタビー FL アイルランド
ドンカ オカラハン LO
チャーリー ホッジソン SO イングランド
サイモン ショー LO
アンディ シェリダン RP
ライアン ジョーンズ FL/No.8 ウェールズ




ツアリスト・オン・ザ・ウェイン
(今回のツアーで評価の下がった選手)


ウィル グリーンウッド CTB イングランド
ジェイソン ロビンソン WTB/FB
ジョニー ウィルキンソン SO
ジョン ヘイス PR
アンディ ティタレル HO
マット スティーヴァンス PR
ゴードン ダーシー CTB アイルランド


第1戦目終了後のジョニ
残念ながらまったく調子の出なかった第1戦目終了のジョニ




番外編で上げられていたその他の賞では・・・


ヴィレイン・オブ・ザ・ツアー
(悪役・悪者・・?)


アラステア キャンベル

元英国政府高官で、英国のメディアBBCに圧力をかけた、とされるもの




サポーター賞


ライオンズサポーター

『遠征した「赤い軍団」は模範的な旅行者であり、
毎日全体重をかけて酒をあおり、
耳をつんざくような“ライオンズ!ライオンズ!ライオンズ!の掛け声で
ハカの声をかき消した彼等の努力は賞に値して余りある』と・・・



ラオインズサポーター
毎試合頑張るライオンズ サポーター





サポーター・オブ・ザ・ツアー


レズリー・ジェンキンズ

ウェールズのプロップ(PR)、ゲティン ジェンキンズのご母堂
自らの肺がん治療を中断して息子ゲティンの応援にニュージーランドまで駆けつけた・・こと
『Without Doubt(疑いのない)』受賞

ゲティン・ジェンキンズ.




そして・・・最後は


トゥルー・スピリット・オブ・ラグビー賞
(真のラグビー精神)



ギャレス トーマス
(ウェールズ・CTB/WTB/FB 主将代行)


記者会見に下着姿で現れ、悪びれずに“すまない、ズボンが見つけられなかったが
みんなを待たせたくなかったんだ”と一言説明


ギャレス・トーマス.
その中に女性記者は居なかったのか・・・?トーマス君






我が国の海外遠征では上記のような選手達一人一人に対する評価や責任者などへの責任の所在が
いつの間にかうやむやの内に終わってしまうことがほとんどだと感じます
ですから、常に私達観客は釈然としないものが残ります・・・

しかし、海外チーム遠征ではこのような評価や批判(皮肉・・??)にさらされても
常にチーム力(個人の能力アップや新人の台頭を含めて)を立て直し
次のトーナメントに生かす、ということは
マスコミ(メディア)・協会・ファン(サポーター)の間が健全に築かれているのでしょう


それこそが『真の大人の国』だな〜と思ってしまうのです







【よけいな、おまけ】


10月中旬、全国版のニュース報道番組中で
日本ラグビー協会においての2011年のラグビーワールド・カップ日本開催誘致委員会の
“GM”という肩書きの平尾 誠二氏が
そのWC(ワールドカップ)開催誘致の為に出演されていました

あいにくと仕事からの帰宅時間に間に合わなかったので
直接観ることは出来なかったですが
その放送を見た友人Jよりその様子を聞きました

平尾氏の話も去ることながら
テレビ側が独自で行なった街頭インタビューでは
はっきりと「開催しても観に行かない」が過半数を超えていたとの事
苦笑いの平尾氏・・・そして、ラグビー協会のお偉方ももちろん同じ表情だったでしょう・・・


おそらくは様々な経緯や思惑などがあり
今回2011年のWCカップ開催地に日本が上がっていることは
ラグビーファンでなくともすでにご存知の方もいらっしゃるはずです

しかし、長年「ラグビー」というスポーツを観戦し、選手を応援し、彼等を愛してきたファンには
その街頭インタビューの結果は悲しいけれど押して知るべし・・であったことと思います

すでにラグビーリーグになって数年、
確かに選手一人一人のスキルが上がっていた昨今ではありますが
それでも日本代表が世界に飛び出すと選手本人達とともに
何度もがっかりとさせられる試合展開を見せられる私達ファンが
この結末に予測出来ず、自己満足だけの“ラグビー”を続けようとする協会のやり方に
賛同するはずはありません

しかもどこの世界にもあるのでしょうが、
政治家まで表向きに引き合いに出しての誘致には
元々“アマチュアリズム”を長年大切にしてきたスポーツの在り方ではないのでは・・・?と
感じるのは私だけかもしれませんが、
そのことを取ってみても素直に応援する気持ちにはなれないのです

自国の選手達が素晴らしい試合を観せてくれ、
それはやはり“強い”チーム作りの上に成り立ち
又はその発展途上であることが目に映れば・・・・
世界でもどうどうと我が国の代表ですだ!と胸張って応援できる!
それが私の思う、『ファン=サポーター』なのです・・・

選手達が頑張っていないとは誰もつゆほどにも思っていないと思います

精進しようとしている選手達やその選手を支える人々に対してきちんと向き合っていない
「協会」の方向性に呆れているのです
それが何時まで経っても変わらないものであれば・・・
きっとこれからも空席が目立つトップリーグや国際試合が当分続くことでしょう

どうぞ、ここまで好き勝手を申しましたが、
あくまでも私個人的な感じ方、考え方なので、
お聞き苦しいことをお許し下さい



それでも私はラグビーと言うスポーツを観るのが大好きなのです
そして、それを応援する方々も

ですから、残念ながら今年のシーズンにおいても
気持ちは全て海外ラグビーに向けざるを得ませんこと、ご理解下さい






さて、夏に掲載できなかった楽しみにしていたツアーを
遅まきながら作ることができました

これからのシーズンでの旅する目的で本当に楽しみなのは私にとっては
ラグビー


彼の国でが様々な大会がすでに開催され、
その模様は複雑怪奇に絡み合い
そして、選手達は自分自身のスキルを上げる為日々精進をしています
その様子をより詳しく知る為に敢えて今回またまた南半球優勢、
北半球劣勢のスタートにも見えるこのツアーから・・

今後も私なりの英国のラグビーに関してのページを
続けさせていただくことになるかと思います


どうぞ、ラグビー観戦にご興味がおありになる皆様からのご意見・ご質問をお待ちしております






注)これはあくまでも私個人の感想になります
皆様それぞれのご感想やご意見をお持ちでいらっしゃることと思います
皆様のご意見などお待ちしています











Top New ページのTop  スポーツの窓 (ゴルフページはこちらからお進み下さい)


2003年ワールド・カップ 前哨戦 (こちらから2003年WCページへへお進み下さい)


  ワールドカップその後 EPISODE 1


2004年シーズン後 EPISODE 2


2005年六カ国対抗戦  EPISODE3 【1】〜【3】はこちらからお進み下さい


トゥッケナムスタジアムへの道 EPISODE4 【その1】



2005年〜06年英国のラグビー事情 EPISODE4【その3】